電気関係の基礎知識

当館では6400V(高圧)で受電した電気をメインの受変電設備で受け、それをA棟サブ変・BCE棟サブ変・DF棟サブ変・GHI棟サブ変に送電し、それぞれのサブ変でトランスを使って低圧(100Vや200V)に変圧したのち、館内各所の配電盤に送電しています。

VCBとは、Vacuum Circuit Breaker=真空遮断器のことです。高圧受電設備で使われる遮断器で、短絡事故や過電流などの異常が起きたときに、高圧回路を安全に遮断します。接点を真空容器内に収め、電流を切る瞬間に発生するアークを真空中で素早く消す仕組みです。単線結線図では、受電点や各高圧系統の重要な分岐部に配置され、トランスや幹線設備を保護する役割を持ちます。

この図がサブ変側の単線結線図です。例としてBCE棟をあげています。

メインの受変電設備より高圧で送られてきた電気は、トランス(変圧器)を介して低圧電流に変えられます。当館のトランスには2種類あり、以下の通りです。

1φ TR = 単相変圧器 = 単相100V
3φ TR = 三相変圧器 = 三相200V(動力)

コンセントや照明などの電流は単相100Vの低圧盤経由で、ポンプや熱源機器などの電流は三相200Vの低圧盤経由で、それぞれ送られています。

当館の単線結線図(2026年時点)

単相と三相の違い

単相は、1つの交流波形を使う電気で、主に照明・コンセント・制御機器など小さめの負荷に使われます。対して、三相は、3つの交流波形が120度ずつずれた電気で、電力を安定して大きく送れるため、ポンプ・ブロワ・チラーなどのモーター負荷に向きます。ロスがないわけではありませんが、動力設備では三相の方が効率的です。

この図は、単相交流と三相交流の違いを、波形と電流の向きで比較したものです。単相交流は、L相とN相の間で使う交流で、1本のサインカーブで表されます。時間の経過とともに電流の向きが L→N、次に N→L へと周期的に反転します。そのため、単相モーターでは電流の向きが交互に入れ替わります。

一方、三相交流は R相・S相・T相 の3つの波形が120度ずつずれて流れる方式です。ある相の電圧が下がっているときでも、別の相が上がっているため、全体として連続的に電力を送りやすくなります。下段の例では、各時点でR・S・Tの電圧が変化しても、バランスした三相では3相の合計が0Vになることを示しています。三相交流は回転磁界を作りやすく、ポンプやブロワ、チラーなどの動力設備に適しています。

主な機器と働き

VCB

真空遮断器です。高圧電気を入切するための遮断器で、短絡や過電流などの事故が起きたときに高圧回路を安全に遮断します。高圧受電設備の中では、トランスや幹線を守る重要な機器です。

ダブルスロー

切替開閉器です。2つの回路や電源系統を切り替えるための機器です。たとえば通常電源側と別系統側を切り替えるような用途で使われます。保護機器というより、電気の流れを切り替えるための機器です。

OCR

過電流継電器です。電流が設定値を超えたときに異常を検出する装置です。OCR自体が電気を切るのではなく、異常を検出してVCBなどの遮断器に「切れ」という信号を出します。

LGR

漏電・地絡を検出する継電器です。電気が本来流れてはいけない場所へ漏れている状態を監視します。水回りの多い水族館では、漏電や地絡の早期検出に関わる重要な機器です。