濾過槽(重力式)

重力式濾過槽の特徴

重力式濾過槽はアンモニアの無毒化、つまり濾過バクテリア(好気性)によるアンモニア→亜硝酸→硝酸の過程を効率的に行うことに向いています。また、濾過工程で溶存酸素を失うことがありません。このため、当館では鰓呼吸や肺書呼吸など水中の酸素とガス交換をする生物(魚類・甲殻類・軟体動物・腔腸動物など)の水槽に採用されており、基準の濾過速度は24ターン/日です。デメリットとして、設置面積が必要、逆洗が手動、塩害発生リスクなどがあります。

重力式濾過槽の構造

重力式濾過槽の逆洗手順

ウォーターハンマーの原理

濾過槽概論

濾過の種類と効果

飼育水の濾過(filtration)には、その除去対象別に以下の 3 種類があります。

①物理濾過:物理的に固形物を取り除く(こしとる)

スポンジ・ウール・砂などのろ材を使用する。

②生物濾過:バクテリアを利用して有害物質を取り除く(低毒化する)

砂のほか、セラミック濾材など多孔質の総表面積が広い濾材を使用する。魚類の排泄物に含まれる有毒なアンモニアを二段階で酸化して、低害な硝酸に変える。

1:亜硝酸バクテリアの働き(酸化)で、アンモニア(NH3)から亜硝酸(HNO2)へ

2:硝酸バクテリアの働き(酸化)で、亜硝酸(HNO2)から硝酸(HNO3)へ

3:嫌気性細菌の働きで硝酸が脱窒(還元)され、窒素(N2)と水(H2O)へ

※当館採用の濾過器はいずれの形式も嫌気層ができにくい構造のため、以下のような脱膣手順で飼育水槽と濾過槽にたまった硝酸塩の除去を行う必要があります。

濾過槽の逆洗・飼育水槽底砂の掃除・飼育水槽で植物栽培をして吸収させる

なお、硝酸塩は底砂や濾過砂のなかに蓄積されるため、通常の換水ではほとんど除去できません。

③化学濾過:水に溶け込んだ不要物を除去する(吸着させる)

活性炭・ゼオライトなど、水溶成分(カルキ・黄ばみなど)を吸着する性質の濾材を使用する。

濾過槽(圧力式)
圧力式濾過槽の特徴圧力をかけて強制的に飼育水を濾過させるため、物理的なゴミの素早い除去に向いています。反面、アンモニアなどの除去は重力式濾過槽に劣ります。このため、当館では肺呼吸を行い、尿素や尿酸で窒素を排出する哺乳類・鳥類・爬虫類の水槽に...